2018年03月16日

H&K VPW9 Prototype レポート

今回、我がオラガバニスト編集部は独自ルートにより某所にて極秘開発中のモデル、VPW9(仮称)の情報を入手する事に成功。

これは日本国内はもちろん、世界初のレポートとなる・・・





まずは全体像を見てほしい。





ベースとなっているのは紛れもなくVP9であるが、フォールディングストックが追加されたこの姿は・・・

すでにピンと来た方もいると思うが、H&K社と関係の深いB&T社が開発・販売しているUSW(Universal Service Weapon)
モチーフとしているのだ。この銃をデザインした設計者は独自のアレンジを加え、Variable Purpose Weapon(VPW)と呼んでいる。


その”独自のアレンジ”であるが、まずはベースとなっている銃。

USWはCZクローンとして有名なSphinxをベースに(一部パーツを流用)している。つまりベース銃としてはハンマー露出型で
あるが、USW完成形としてはハンマーは隠れているためハンマー露出型の利点を生かせていない、と考えた設計者は前述のとおり、
ストライカー方式のVP9を選択した。





また、大きく違う点としてストックの折り畳み/展開方向も挙げられる。

USWでは、多くの西側ライフルやSMG同様に銃の右側にストックを折り畳む。ライフルやSMGでは銃本体の重量もあるため、
多くの右利き射手は通常、グリップではなくマガジンハウジング周辺を左手で保持した状態で、右手でストックを展開する事に
なるだろう。しかしUSWはハンドガンベースであるため、右利き射手なら右手でグリップしたままストックを展開する。
その時、右手の右側、つまり体の外側から大きくグルっとストックが展開する事になり、必然的に体の動作が大きくなって
しまうと考えたVPWの設計者は、体の内側で動作を完結できるように折り畳んだストックを銃の左側に配置した。





しかしUSWのストック形状のまま、つまりスライドと並行で直線的なストックではスライドストップが完全に隠れてしまい、
何よりも右手でグリッピングしたときに親指の付け根付近がストックに干渉して不安定になる事が初期の試作で判明。
これを回避するために独特なカーブを描くストックとした。



VPWの設計者曰く、「USWは左手で保持したら握りにくいんじゃね?」との事だ。

残念ながらスライドストップはお世辞にも操作しやすいとは言えないが、基本的にはスライドを引いてスライドストップを解除する
事を推奨している。

曰く、「俺の銃のスライドストップを押し下げて解除する奴はブッ殺す」だそうだ(滝汗)



ストックのロック機構にも変更が加えられている。




よりスムーズで確実なロックのため、イメージとしては『大きなエキストラクター』と言えばモデルガン愛好家の方には伝わるだろうか?
以下の画像にあるように、シーソー型のロックに改められている。







実際、大変スムーズに行え、慣れれば左手を使わずに右手のスナップだけでもストックを展開する事ができ、なおかつ
しっかりとガタ無くロックされる。

また、プラスチック製で一見華奢に見えるストックであるが、ステンレス製の“骨”を内蔵して剛性を高めており、必要十分な
強度を持たせているそうだ。



ストックを折り畳んだ状態で保持するのは、トリガーガードの前方にあるロック部品だ。



USWでは右側のストックを右側のロック部品で保持するため、ロック部品は前後にスライドする形状になっているが、VPWでは
中心に支点を持ったシーソー式。


トリガーフィンガーでロックを解除する。





ロック部品が大きく突出しないよう、またレイルに取り付ける各種ライトと干渉しないよう、形状は試行錯誤したそうだ。







ストック基部にはプランジャーが仕込まれており、ロックを解除するとある程度まで自動的にストックが開く仕組みになっているのは
USWと同様である。









畳んだ状態のストックはスライド先端とほぼ同じ長さで、邪魔にならない。







搭載された光学サイトにも設計思想の違いが見られる。USWはAimpoint社に専用に作らせたAimpoint NANOを搭載するが、
VPWは市場入手性や実績を重視し、TrijiconのRMRタイプを採用。





また、バックアップサイトとしてUSWではフロントサイト位置にグリーンのガイドのようなものを設けているが、VPWではより
コンベンショナルなオープンサイトを採用している。





フロントサイトは高さ約13mmとかなり高い部類に入るが、これを低くするには当然リアサイトの位置、ひいてはRMRサイトの位置を
現状より更に下げる必要があり、それにはスライド内部の構造から見直さないと難しいそうだ。


サイトピクチャーはこのようになる。



オープンサイトとしてはミニマムな視認範囲だが、視認性の高いファイバーフロントサイトのお陰で実用性は十分だ。


スライド後部のセレーションは不要なので、全て削除されている。





その代わりにフロントセレーションが1本増やされ、尚且つスライド後端にあったコッキングピースがその後ろに移設された。





当然、スライドを引いた状態でもコッキングピースがストックに隠れない位置となっており、操作性は全く問題ない。



このコッキングピースにも設計思想の違いがあると筆者は考える。
USWではスライドの形状自体を変えて突起を追加しコッキング時のサポート機能を持たせているが、スライドの生産工程上、
コスト的に不利だ。
その点別パーツのコッキングピースはそれ自体のコストは掛かるものの、スライド側はセレーション等と同様の加工で済む為、
コスト的に有利である。また、ベースとなったVP9と鍛造ブランクを共用できる事も、コストメリットとして大きいだろう。



もちろん、リアのカバー兼マウントがエジェクションポートを塞いでしまうような事もない。(当たり前だが)





そのカバーとスライドとの隙間は0.5mmほど。これ以下は作動に影響が出るため厳しいという。



また、ベースとなったVP9のスライドは台形断面であるが、将来的に長方形断面のVP40にも対応するため、カバーも敢えて
長方形断面にしたとの事。

なお、このカバーのためベースのVP9が備えていたスライド後端のコッキングインジケータは視認不可となるが、元々小さい
穴の奥まった位置に赤い点が見えるだけの役立たずなので実質何も変わらない、コッキングしたかどうかは自分で覚えとけ!
と設計者は言う。



ストックを展開した状態。





グリップ根元からストック後端まで32cm強あり、M4等のライフル銃と比較して長めである。
これはライフル銃と異なりサポートハンドもグリップ位置になる事から、より自然なエイミングポジションを取るためである。
余談であるが、USWも初期型と比較して現行型は僅かにストックが延長されている。



サイレンサーも装備可能だ。





この状態でストックを展開すると、コンパクトライフル顔負けの全長になる。







あくまで個人的な感想になるが、コンセプトとしては非常に魅力的でありながらデザイン的にちょっとなぁ・・・と思ってしまう
USWと比較し、操作性を高めつつデザイン的にも垢抜けた感じのするこのVPW、皆さんはどうお感じであろうか?







なんつってな!!ww

雑誌風の口調で書いてみたけど、なんか恥ずかしいwww


はい、皆さんとっくにお気づきと思いますが、このVPW9は私のオリジナル作品ですw (実銃は存在しません!)
時期的に、もうちょっと待ってエイプリルフールネタにしようかな?とも思いましたが、上の文章、何一つ嘘を書いてないんですよね。


という事で、次回から製作記を始めたいと思います♪


  


Posted by あじゃ  at 19:19Comments(10)HK VP9