2021年08月17日

SIG SAUER P229 Nitron Compact GBB 製作記④

マルイベース、P229 Nitron Compact GBBの製作記も今回でラスト!

まずはフレームの残りの加工から。

トリガーガードですが、P226とP229では似ているものの下側の角度が異なる(P229の方が上ずってる)ので、
前面セレーションの下あたりで一旦切り、2mmほどの隙間を作ります。




グッと押さえたまま、接着。



念のため、トリガーガード下側をヒートガンで温めて残留応力を除去した・・・つもり。たぶん大丈夫ww


刻印はスライドと同様にいったん元のを埋めてから、刻印データを貼り付けて・・・




手彫り。



見切れちゃってますが、シリアルナンバーのところのASGKも埋めて、AJのアルファベットだけ手彫りしました。



続いて、グリップフレームの短縮です。

本来なら(例えばタナカP229のグリップを使うなら)下側のスクリュースタッドを移設等するところですが、今回は単純にズバッと
下側をカットしました。



最終的に9mm短くします。ケガキの線がその狙いですが、スタッドの穴ギリギリです。


内側にC面を付ける為もあり、穴の下側だけにABS板を貼り付けてD形状にしました。



ちなみにマガジンは当初マルイのを切り詰める予定でしたが、WEのP228/229用が世の中にある事に気づき、そのまま使用する
事にしました。長さもちょうど良いし、手間を考えたら買った方が楽ですしww


フレーム側は既に写ってますがダストカバーの先端の他、ハンマー周りの背面の角度変更や、位置を変更したテイクダウンレバーに合わせて
トリガー上の段差も後退させたり、フロントストラップのセレーションを手直ししたり、好みでトリガーガード全体をちょっと薄くしたり、
テイクダウンレバーやデコッキングレバーの形状変更に、グリップの上にある段差の斜めカットを変えたりと、色々と手を加えております~







んで、肝心のグリップですが、元のP226E2グリップを加工します! なので、スタッドを移設しなかったんですね。

まずは長さを切り詰め、セメダインのエポキシパテをモリモリ。




マグウェル周りなどはパテが硬化する前にヘラなどでそれっぽい形状にしておきます。



また、デザインナイフで左右を切り離しておきました。


硬化後、実物グリップをお手本にヤスリで形状を作っていきます。





このE2グリップはエルゴノミックな起伏が肝になるので、いろんな角度から見ながら、また左右の厚みをノギスで測りながら、
ひたすらシコシコしました。部分的に薄くなって穴が開いてしまうので、そういった部分には予め裏から瞬着で肉盛りしてます。


ほぼ形状が出来たところで、実物グリップのテクスチャー範囲を型取った紙を貼り付け。







この輪郭の内側を、彫刻刀で一段掘り下げます。







この辺の加工方法は以前、Tiki Hicapのグリップフレームを作った時と同じですね。
つか、そうか、あれからもう10年経ったのか・・・ そりゃオッサンになるわけだ・・・ww


んで! 今回の問題はそのテクスチャーです。独特なE2グリップのシボ形状を、更にはSIG SAUERのロゴも再現したい・・・
(オッサンは更に欲張りになりましたw)


という事で、実物グリップのテクスチャーを、型取り君(お湯で温めると軟らかくなるプラスチック粘土)で型取り!!



お湯につけて軟らかくなった型取り君を薄く伸ばし、グリップに押し当てます。これだけ広い面積だとすぐに冷えて固くなってしまうので、
部分的にヒートガンで温めながら押し当てました。(実物グリップは強化ナイロン樹脂なので結構熱に強いです)


テクスチャーの輪郭に切り出した型とグリップの両方に薄くJBウェルドを盛って、目合わせで位置決めして貼り合わせます。




硬化後に型を剝がしてみると・・・



おぉ!! 部分的に転写が甘かったり、よーく見ると小さな気泡がテクスチャー全体にあるけど、かなりそれっぽく出来てる!!!

ただ、ちょっとズレちゃったかな~?


少々のズレには目をつぶり、背面のテクスチャーも同様に転写。



こちらは完全硬化する前に型を剥がし、真ん中にデザインナイフを入れて左右を分離します。


JBウェルドがはみ出した枠の部分をシコシコし、テクスチャーの転写が甘い部分を針で手直ししました。



・・・結局、左側のズレが気になってしまったので、左側だけ削り落として最初からやり直しましたけど・・・(めっちゃ疲れた)


話が前後しますが、フレームの下の穴をD形状にしたので、グリップ側の十字突起の下側を削ってT時にしています。



また、ご覧のようにマガジン後ろのマグウェル部はエポキシパテで形を作っているので、強度を考えてランヤード穴は背面のみ
(実物は下にも穴が開いてる)のフェイクとしました。


フレームに取り付けた状態で最終チェック!










実物グリップと並べて。






実物と比べると左右の厚みが0.5mmほど厚かったりして完全コピーとはいきませんでしたが、独特の握り易さや外観はかなり
再現できたと思います♪ 良く頑張ったな、俺・・・


あと、グリップ内側の元のメカはほぼ無加工、ハンマースプリングのハウジング?ウェイト?の下側を少しカットしたくらい。

また、今回は以前やったハンマーのひびき打ち化は見送りました。面倒ってのもありますが、アレをやるとハンマースプリングを
かなり強くしないといけなくて、そうするとダブルアクションが激重になるので・・・


という事で、出来上がり記事はコチラから♪


【おまけ その1】
これはどうでも良い事ですが、最初の画像の時に悲劇が起こりまして・・・ 先日完成記事を書いたタナカのP229R
フレーム単体(その時すでに加工も仕上げ塗装も終えていた)を見本として横に置いておいたんですが、何を血迷ったのか、
そのフレームのトリガーガードを切ってしまったんです。


・・・何言ってるか分からねーと思うが、その時俺も自分で何をしたのか分からなかったんだ・・・


切り終えた瞬間、あれ?随分このフレーム綺麗だな?(←そりゃバッチリ仕上げ直したフレームだからね~)


・・・うわああああああ!!! やってしまったのか俺は!!??? 神サマお願い5分だけ時間を戻して!?(無理)


その後、泣きながら修復しました。(ホントに泣いた)


教訓。


『ノコギリで切る時は慎重に』


慣れって怖いですね~・・・



【おまけ その②】
今回のマルイベースP229記事、もう1回だけ続きますww






  


Posted by あじゃ  at 11:37Comments(6)P22*系